受注産業の生産管理(考え方)

予定組みの課題

サプライチェーンからの要求、特に納期

製造業の競争力の源泉は、「QCD(品質、価格、納期)」のバランスを 高い水準で維持する事ですが、実際のモノづくりにおいての優先順位は「1に品質、2に品質、34が無くて、5に納期‥コストは後からついて来る」くらいに感じます。

ただ、品質と価格をクリアしても、納期遅延で客先の生産ラインを止める様な事があると、ペナルティーが課されるか、少なくとも継続受注が来ない事から、納期対応は「必要条件」です。

逆に、顧客が在庫確認を誤り、先方の生産ラインが止まる!という緊急事態に、迅速に割り込み生産等の供給対応・・実際には「最短で、半数を明々後日の朝一着+残数を午後着で‥」と具体的な納期回答(提案)をして確実に実行できれば、それは大きな競争力になります。

さらに、この様な事態が頻繁に起こらない様に、営業部門に対して『日頃から顧客情報を取り、需要予測と在庫推移をフォローする納入管理をしっかりと行う』指導も生産管理の仕事です。

しかし生産管理の側からすると、多くの顧客を相手に毎日とは言わないまでも、2−3日おきくらいに「緊急対応」をしている感じで、『それが仕事』と言う他ない様に感じます。

すなわち、納期対応ができるギリギリまで群進行の生産性追求をするのではなく、緊急を前提に飛び込みが入った場合の消化余裕を残して「中期の計画」を組んでおく事が必要な理由は、ここにあります。

納入管理

営業内勤は、多くの品種の製品供給フォローを確実にするため、品目ごとに「過去の出荷実績と、既に伺っている納入依頼」を時系列に、出来れば1ヶ月分を30行のマスに記載し、気になる点があれば、遠慮なく先方に確認する納入管理が必要です。

一般的な実務では、出荷日の1日前に製品在庫から出荷数を引当てて、出庫伝票を発行し、倉庫でピッキングを行なう事(在庫引き当て)になり、出荷基準の場合、この時点で売上が立ちます。

すなわち、精度の高い納入管理は、そのまま精度の高い売上計画になりますが、製造トラブルや予想外の生産計画変更があると、月次決算に影響を与える懸念があり、①納期余裕を見た中期計画、②計画通りにモノが出来る仕組みが、この精度維持に重要になります。

リピートオーダーの製造手配(=リピート受注)

リピート受注の納入管理では、適切な製造手配【「いつ(発行)、いつまでに(納期)、どれだけ(数量)】が求められ、客先の 需要見通しや、自社工場の混み具合(負荷状況)に基づく予想リードタイムなどを考慮して早目に提案し、発注承認を頂く必要があります。

下の図を見ると、累計出荷のグラフ赤い線)に合わせて、第2回、第3回のリピート受注を貰っていますが、初回納入製品を流通対応で想定以上に使用し、第2回が短納期の受注となったため、緊急対応で第2工程以後は、オーダー数量の約半数に絞って生産した経緯となります。

生産管理は、営業が受けて来た受注を 『納期に間に合わせて生産する』事が、大前提であり、その中で進行順序を工夫し、出来るだけ効率的(群進行/グループテクノロジー)に生産する事が求められます。

なお、上のグラフで、グリーン両矢印部は、製品在庫にあたり、この幅が大きくなると、他の製品の生産阻害となるのに加えて、置き場所の問題、管理経費や金利負担が増える事になります。

上図左と中の様に、納入推移の把握が不味い(納期情報の精度が低い)と、在庫が増加したり、短納期受注になったりするため、営業部門ではきめ細かい需要把握と、的確な納入管理が重要になります。

すなわち「品質は前提条件」「納期は必要条件」とした上で、生産管理のゴールである「利益最大化」すなわち『コスト最小化』のための、最適な生産計画を策定する際の基本的な考え方は、


このバランスを考慮する事例として「使用頻度の低い材料を使う受注3つを連続進行する予定がある時に、4つとして納期は急がない同材料の受注が入った場合」、4つまとめて生産すると、切替え負荷を少なくする事で生産性が上がるものの、長期在庫になることがネックとなります。

この様なケースで『置き場所は無い』場合は、外部倉庫費用とメリットを比較して判断する事になりますが、往々にして「まとめ進行」の方がメリットが大きい場合が多い様です。

ただ、どんなに的確に需要把握をしても、製販の信頼関係が無いと、情報発信の際に「納期トラブルのリスクを考慮して相当の余裕を見た(サバ読み)納期情報』を発信しよう等、別の思惑が入るために、ほとんど台無しになってしまします。

結局、システムや理論はいくらでも追加出来るものの、運用のベースとなる『信頼関係』が無いと、効果が出せないばかりか、余計な仕事が増える懸念さえあります。

すなわち、業務を効率化するための仕組みとして「IT」や製販にまたがる「システム」を使う訳ですが、実際に得られる効果は、システム導入後の製販の『相互信頼度』との掛け算で決まると考えられます。

例えば、現状の現状の仕事を「1」として、理論上その5倍の効率を出せる仕組みを導入したが、信頼度が30%の場合は、1x5x0.3=1.5 倍と50%UPに留まる事になり、並行して信頼度向上に努めて、80%の信頼関係が築ければ、1x5x0.8=4 倍に向上出来ます。

では、肝心の信頼関係を作るにはどうすれば良いか・・まず信頼の第一は「約束を守る事」で、簡単に言えば「納期回答をして、その回答通りに生産する」事ですが、そのための仕組みを作る必要があります。

なお、情報を共有すると言うことは、ある面で運命共同体になると言うことですから、共通の目的(納期遵守➡︎顧客満足UP➡︎業績UP)に向かって、役割分担をして対応する事であり、それぞれの役割に特化してレベルアップする事で、さらなる改善効果を生む事が期待されます。

具体的には「納期を回答して管理する仕組み」であり、そのために「手持ち受注の全工程の予定を割り付けたデータベース」が必要になります。ここでのポイントは、本日から直近1週間は予定枠を前詰めするが、それより先は予定枠に空間を取って配置しておく事です。

1点ごとに見ると、納期から逆算した「進行限度日」を「予定日」として配置する事で、後から受注されたが納期が短い仕事への対応が可能になります。

さらに、製造現場では

あり、それを作るためには『公開された生産計画の信頼性』=『計画通りに確実に物ができる』製造が必要になります。

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